君の膵臓をたべたい (2018) 感想


初日 (9/1) にアニメ版を見に行ったのだが, 少々落ち着いたので感想を書こうと思う.
アニメ版ならびに実写版のネタバレを含みます.

再構成した実写版と, 原作を尊重したアニメ版

PVからアニメ版が原作路線で来ることは分かっていたが, 概ね原作通りに展開する.
特典小説も後日談 (数年後) になっていて, 原作が好きなファンを中心に評価されているように思う.

主人公達のキャラクター性 (特に桜良) の実写版との差異は顕著で, 天真爛漫さに磨きがかかっている.
好き嫌いの分かれそうなキャラではあるものの (自分としては少しキツいキャラだった), この点は特に評価したい.

エピソードの選択の仕方も、桜良のキャラクター性が出るエピソードは重視されていたように感じた. 商店街で老婆を助けるシーンは実写版ではカットされたが, アニメ版では残り, 桜良のキャラクター性が出るシーンになっていたと思う.
ただ, 死ぬまでにやりたいことをノートにリストアップして消化していくシーンで, イラストがリストに用いられていた点は, 絵的に無理に入れる必要もなかったはずなので気にはなった.
原作では共病文庫にリストアップしたこと, 共病文庫では絵を一切書いていないという描写があるので…… まぁ, 共病文庫以外にリストアップしていないとは書かれていないので, 定かではないのだけれど.

モノローグとファンタジー要素は果たして必要だったのか

そんな原作に忠実な本作だが, 個人的には原作を大幅に改変した実写版の方を高く評価している. その理由として一番大きいのはモノローグである.
原作小説は「僕」のモノローグが多く, 映像作品にする際にここをどのように表現するかが一番難しい点ではないかと思う.
特に「僕」の呼ばれ方は, 実際にそのように呼ばれている訳ではなく, 「僕」が想像した「相手がどのように見ているか」になっていて, 物語が展開するに従って変化していく.
文字媒体だからこそできる仕掛けであり, 映像作品で同じことをするのは難しいだろう.

アニメ版は呼ばれ方の変化をなくし, モノローグはそのままに.
実写版はこれを, 大人になった「僕」の回想という形にすることで, 少年時代の「僕」によるモノローグを極力廃した.

台詞情報量が多いと, どうしても消化するのに時間がかかってしまうので, アニメ版は情報過多に感じた.
喫茶店で「僕」と桜良が会話しているにも関わらず, 店内BGMの音量が大きく, 台詞がすんなり入ってこなかったりしたので (2シーンあった), 音響による影響があったのかもしれないが……
「僕」が感情に乏しいこともあり, 物語の起伏を損なう形にも寄与していたように思う.

そして, もう一点. 終盤に存在する「星の王子さま」を模したファンタジックな演出は, 興覚めだった.
アニメだからこそできる演出ではあるが, 劇中で「星の王子さま」の内容描写は一切ない状態で桜良に重ねるのは無理があるのではないだろうか. 桜良が飛んでいた理由については今も良く分かっていない.
実写版では, 冒頭に「星の王子さま」の内容を授業で説明しているシーンがあり, 桜良と重ねられることを暗に示していて, また, 少年時代と大人時代を繋ぐアイテムとして「星の王子さま」を使うなど, 知っているとより楽しめる要素になっている.

原作に忠実であることが果たして正しいのか

原作に忠実でないと拒否反応を示す人が一定数いるのは理解しているが, 媒体と尺が違う以上, それにあった改変は是非ともやって欲しいと, 実写版・アニメ版を見て思った.
最近だと, 「はねバト!」がアニメの後に原作を読んで, チャレンジングに変えているのに驚いた.

何だかんだで, 新しい感動や驚きを欲している自分がいる.
実写版をまだ見ていないのであれば, Amazon Primeなどで有料で見れるので, 是非見てみて欲しい. 自信をもってお勧めする.


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