soranoba
soranoba Author of soranoba.net
anime

2018年劇場アニメ総括

時が経つのは早いもので、2018年も残すところあと1日です。
その年見たアニメを忘れるようになってきてしまったので、備忘録がてら雑に2018年劇場アニメ総括です。
TV含めて年内に書く予定だったのが、このザマです。

鑑賞した順(月の表記は鑑賞日が何月か)なので、おおよそ放映順になっているはずです。

2月

劇場版マクロスΔ 劇場のワルキューレ

昨今、劇場アニメが増えたものの、どちらかというとストーリーを重視した作品が多く、エンターテインメントに振り切った作品は少ないように思います。
(もしかすると見てないだけかもしれませんが……)
本作は、そんなエンターテインメントに振り切った数少ない作品の一つです。

所謂、再構成総集編なので初見には向かないかと思いきや、王道なストーリー+全10曲近い挿入歌を使ったエンターテインメントにすることで、TV版マクロスΔやマクロスシリーズ未見でも楽しめる作品へと昇華されていました。
現に、私はマクロスΔは最初の数話を除いて、見れていませんでしたが、全力で楽しむことができました。
(視聴が追いつかなくなっただけで、他意はなかったんですが……)

体感にして本編中の半分程に挿入歌が流れていたので、ストーリー性のある長編ミュージックビデオと表現しても良いのかもしれません。
一方で削ぎ落とされたストーリーは、たくさんあるはずなので、ストーリー性を期待すると物足りないかもしれません。分からないですが。

さよならの朝に約束の花をかざろう

VisualArt’s/KeyのCLANNADは、麻枝准という男性のライターが描いた家族の物語ですが、本作は、岡田麿里という女性のライターが描いた家族の物語です。
放映期間中、そのように周囲の友人や同僚に説明したのを覚えています。

もしかするとマキアという少女の一生を描いた物語と表現した方が適切かもしれませんが、「母は強し」という言葉があるように、「母」故の強さを端々に感じる作品だったので、このような表現を私はしていました。
偏見かもしれませんが、男性にとって、どこか疎遠な感覚だと思っています。それが、本作では生きた人の感覚として描かれていました。

CLANNADをやった当時、両親のことを目の敵にしていたのが、作品を通して始めて味方であることを理解したように。時が違っていれば、ささくれていた過去の私が、両親と向き合えるきっかけになっていたかもしれません。
それほどまでに心を揺さぶる作品であり、涙なくして見ることのできない作品でした。

5月

リズと青い鳥

映像作品として、とても丁寧に描かれた作品だったと思います。
女子高生の言葉で表すことのできない心情を、言葉に頼るのではなく、映像や音で描かれる様は一見の価値ありです。

惜しむべきは、私にその心情が理解できなかった点でした。
作品の性質上、感情移入ないしは共感できるかが本作を楽しめるかの分水嶺になっていて、映像としては楽しめているのに描いている内容が分からないという悲しい状態になっていたのを覚えています。

独占欲にも似た友情。友人への羨望と、自分への失望…。壊れやすい砂糖菓子のような繊細な作風は、合わない人には合わないと思うが、「これは私の話だ」などと心に強く響く人もいるだろう。
【シネマプレビュー】リズと青い鳥 - 産経ニュースより)

自分の話だと感じられる方に、是非おすすめしたい作品です。

6月

GODZILLA 決戦機動増殖都市

鑑賞終了後の感想は、「沙耶の唄(開花END)が見たかった」でした。
虚淵さん(脚本・構成)がゴジラをどう料理するのかに期待して見に行ったので、こういう感想になったのでしょう。

「沙耶の唄」を例に出すのは、本作のラストが形態は違えど、似た側面があったからです。
ただ違ったのは、「人間」という種族のあり方として描かれ、ハルオ(cv宮野真守)とユウコ(cv花澤香菜)という個が描き切れているとは言えないことでした。
キャラクターが多いことによって、個が薄くなってしまった側面があるのかもしれません。

劇場版マクロスF 虚空歌姫 イツワリノウタヒメ (4DX)

本作で始めて4DXを体験しました。
旧作の4DX版なので、4DXについてのみ触れると、臨場感半分、興ざめ半分というのが正直な感想でした。

  • 座席が揺れる演出では、1人称視点の映像であれば違和感はないものの、3人称視点でカメラの切り替わりが発生すると、映像と座席の揺れの方向が不一致になる瞬間がありました。
  • 空気が自分に向けて噴射される演出では、敵・味方構わず撃たれた場合に噴射されていたので、画面上では主人公が敵に銃弾を打っていても、演出上は自分が打たれるという状況でした。

臨場感はもちろんありますが、4DXを元々想定して作られた映像ではないので、映像との不一致が起きる度に興が醒める状況でした。
アトラクションとしては楽しめるので、たまには良いかもしれませんが、映像作品を見たい人は素直に通常の物の方が良いのではないでしょうか。

8月

未来のミライ

以前、ブログに書いているので、こちらの記事をご参照ください。
なかなか、難しい作品でした。

ペンギン・ハイウェイ

ジョブナイルSFの傑作と評判高い本作。
とにかく私が感じたのは伏線の回収の巧さでした。これは原作の森見先生の功績でしょう。全てが収束していく快感が忘れられません。
そしてそれを際立たせる演出、盛り上げる物量を持った映像が揃ったのが本作です。

奇を衒さずに王道を行く。それでいて巧み。こういう作品は見ていて安心するので、増えて欲しいものです。

劇場版 フリクリ プログレ

先行で見ました。オルタナを見ていないのは、その関係です。
前作である、フリクリは未視聴で、噂だけは聞いていましたので、興味があって見に行きました。

全12話ぐらいを纏めて放映する形態を取っていたので、果たしてこれは劇場でやる必要はあったのだろうか。というのが正直な感想でした。
TVアニメを纏めて劇場で流したのを考えてもらえれば間違いないでしょう。以外と疲れるものです。

「考えるな感じろ」だそうで、そういう作品だからこそ、24分フォーマットで見たらまた違う感想になったのではないかと思います。

9月

君の膵臓をたべたい

以前、ブログに書いているので、こちらの記事をご参照ください。
個人的には実写版の方が好きでしたが、原作に準拠したアニメ版の方が正統派です。

10月

Re:ゼロから始まる異世界生活 Memory Snow

劇場放映があって見に行きましたが、OVAです。
OVAのイメージが曖昧になりつつあるので、分かりやすい例に変えると、ギャルゲーで言う所のファンディスクです。

TV版のシリアス多めのシナリオはなく、日常の一コマを切り取った、ある日の出来事を描いていた作品です。
その点を分かった上で見れば、ほどよく本筋に絡められた間章だったと思います。

日常アニメがあまり好みではないので、メディアを買うほどではなく(TV版は買っている)劇場で見れて良かったという感想でした。

若おかみは小学生!

おっこのひたむきさに涙なくしては見れない作品でした。
主人公(おっこ)の転落がほとんどないにも関わらず、ここまで感情移入できる作品であることへ、ただただ感嘆しました。

一時期話題になった、「成功する物語」のパターン:1700を超えるプロットを分析した結果 ライフハッカー[日本語版]にあるように、「転落と成功」を物語中に盛り込むのが「成功する物語」のパターンと言われています。

本作では「転落」や「逆境」という程の物はなかったと私は認識していて、「壁」や「葛藤」を乗り越える形式になっていました。
(まぁ、プロット的にどのような扱いになるのかはわかりませんが……)
それが、ひたむきなキャラと相まって、ただ応援したくなる純粋さでできた作品になっていたように思います。

あぁ、なんて汚い大人になってしまったんだ……と自分のことを省みたものです。

GODZILLA 星を喰う者

哲学色の強い作品でした。
それ以上に、戦闘シーンを楽しみに見に行っていた面も少なからずあったので、アクションが少なかったのが残念でなりませんでした。

11月

魔法少女リリカルなのはDetonation

TVシリーズの設定と異なる部分が衣装以外にも多々あるので(それも根本的な部分が)、それが気にならなかったと言うと嘘になります。
それでもアクション増し増しで、いつもの「なのはさん」を劇場でやる本作は、素直に面白かったです。

A’sで言う所の12話(最終回の一つ前)が3、4シーンある詰め込んでみました感のある作品でしたが、それ故にさながら最終戦闘の連続になっていました。
1つの作品として構成はスッキリしていないと感じましたが、それを補ってあまりあるサービス(えっちな方じゃないですよ)でしょうか。
前作から大分時間が空いていたのが少し気になりました。


全13本。思っていたよりも少なかったです。(抜けがなければ……)
2019年度の劇場アニメもそこそこ多そうなので、同じぐらいのペースになる気がしています。

(Updated: )

comments powered by Disqus